2006 Fiscal Year Annual Research Report
多様体上の接分布構造の微分トポロジー的研究とその応用
Project/Area Number |
17740027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 二郎 北海道大学, 大学院工学研究科, 博士研究員 (20374184)
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Keywords | エンゲル構造 / 接触構造 / 相対的安定性 |
Research Abstract |
多様体上の接分布構造を,微分トポロジー的な観点から研究しています.今年度は特にエンゲル構造について研究しました.エンゲル構造とは4次元多様体上の階数2の接分布構造で,最も積分不可能なものです.3次元多様体上の階数2の接分布構造で最も積分不可能である接触構造と,深い関係があります.3次元接触トポロジーは現在発展を続ける分野であり,様々な道具を使って研究されています.エンゲル構造の研究に微分トポロジー的視点を持ち込み,3次元接触トポロジーに通じる道具を開発することにより研究を飛躍させることが,この研究の目的のひとつです. エンゲル多様体の部分多様体に相対的な安定性について考察しました.部分多様体に沿ったエンゲル構造の芽を決定するための条件を得ました.エンゲル多様体の部分多様体への,そのエンゲル構造の単純な幾何的制限は,その部分多様体に沿ったエンゲル構造の芽を決定するには不十分です.エンゲル構造には,リーかっこ積により誘導される偶接触構造や,その偶接触構造のコーシー特性系である特性直線場が付随します.しかし,これらの部分多様体への幾何的な制限でもエンゲル構造の芽を決定するには不十分です.特性直線場と部分多様体が接していない場合は幾何的な制限で十分ですが,特性直線場と部分多様体が接している点では,偶接触構造の部分多様体への代数的な制限を考えることによって,この問題を解消することに成功しました. 接触構造においては,幾何的な制限のみで構造の芽がきまり,相対的な安定性は切り貼りを可能にし,低次元トポロジー的手法の導入の手がかりになりました.エンゲル構造の幾何学においても,同様の発展が期待できます.また,その他の接触構造との類似点,相違点についても研究を続けています.
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Research Products
(2 results)