2006 Fiscal Year Annual Research Report
レフシェッツ束に関わるシンプレクティッフ・トポロジーと有界コホモロジー
Project/Area Number |
17740029
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神田 雄高 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (30280861)
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Keywords | 写像類群 / 有界コホモロジー / ミルナー・ウッドの不等式 / リフシェッツ束 |
Research Abstract |
研究実績 無限群を調べる常套手段はその群を何かの空間に作用させることである。本研究では写像類群の有限次元表現に注目して、その性質を調べた。 具体的には 1)代数群G(=G(R))について、主G束の分類空間をBG、平坦G束の分類空間をBG'とする。BG'のコホモロジー類であって、自然な写像 H*(BG;R)→H*(BG';R) の像に含まれるものは、そのグロモフ・セミノルムが有界であると知られているが、このセミノルムの明示的な上からの評価について考察した。 2)写像類群の線型表現を組織的につくる方法が知られている。すなわちある代数群の算術的部分群への準同形が構成できる。しかしその像について知られていることは少ない。本研究者はその像が有限指数の部分群であろうと予想し、証明のアウトラインを与えた。まだ微妙な点が残っているが、19年度中には完成すると思う。 3)写像類群の奇数番目の森田・マンフォード類は有界であると知られている。一方、偶数番目の森田・マンフォード類は有界であると予想されており、状況証拠もあがっている。もし偶数番目の森田・マンフォード類がある平坦G束の特性類の引き戻しで書けるなら、このことは肯定的に証明されるのであるが、色々考察した結果、このアプローチで示すのは原理的に不可能だと予想するに至った。 以上が、平成18年度の主な研究内容である。
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