2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘガードフレアーホモロジーと曲面の写像類群に関する研究
Project/Area Number |
17740032
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
森藤 孝之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (90334466)
|
Keywords | ねじれアレキサンダー不変量 / トレス条件 / ファイバー結び目 |
Research Abstract |
今年度は,有限表示群とその線形表現の組に対して,一般に有理関数として定義されるねじれアレキサンダー不変量について,主として研究を行った.とくに,3次元球面内の絡み目のアレキサンダー多項式に関する古典的なトレス条件のねじれアレキサンダー不変量への拡張,および「ねじれアレキサンダー不変量がいつ多項式になるか」という基本的な問題について,詳しく考察した.以下,得られた結果の概略を述べる. 有限表示群に対するねじれアレキサンダー不変量は,1990年代前半に導入されたものの,近年に至るまで組織的な研究はあまり行われてこなかった.このため,その基本的な性質としていまだに解明されていない点も数多く残されている.この状況を鑑み,古典的な結果である,絡み目のアレキサンダー多項式がみたすべきトレス条件を,ねじれアレキサンダー不変量の場合に具体的に計算可能な形で記述した. また,ねじれアレキサンダー不変量は,古典的なアレキサンダー多項式の一つの一般化になっているものの,定義からは,それがいつ多項式になるかは明らかでない.この基本的な問題について,与えられた線形表現にごく弱い条件を課すだけで,比較的広範な有限表示群に対して,ねじれアレキサンダー不変量が多項式になることを示した. 一つの応用として,3次元球面内のファイバー結び目のアレキサンダー多項式がみたすべき次数に関する条件式を,ねじれアレキサンダー不変量の場合に記述した.
|