2006 Fiscal Year Annual Research Report
主圏束の幾何学とその無限小としての超多様体上のホモロジーベクトル場
Project/Area Number |
17740033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺嶋 郁二 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70361764)
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Keywords | ホモロジーベクトル場 / 超多様体 / 主圏束 / ホロノミー |
Research Abstract |
五味清紀氏(東大数理)との共同研究によって,C.Vafaが発見した軌道体モデルにあらわれる離散トーション位相が高次のホロノミーとして幾何的に自然に解釈されることを示すことができたので,M.Douglasらによって指摘されている離散トーション位相と非可換幾何学との関係を具体的な例について,調べている.重要な点として,離散トーション位相はもともと有限群の作用についての理論であったが,私たちの仕事によってリー群の作用を含む一般の場合についても同様の理論が展開できることになったことがある.したがって,私たちの仕事を利用して,M.Douglasらの仕事の適切な一般化を見出すことは,非可換幾何学の一つのアプローチとして興味深いと考えている.梶浦宏成氏(京大基研)との共同研究で,ホモロジーベクトル場の一般論を展開できたので,現在,リー群の自分自身への共役作用からくる準ポアソン構造の場合に何が起こるのか詳細に調べている.森下昌紀氏(九大数理)との共同研究で,S.BlochとP.Deligneによる構成を拡張する形でリーマン面上の多重シンボルを導入し,その幾何的な解釈を与えたので,数論的な意味がある具体例について調べている.
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