2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740034
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸田 正人 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80291566)
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Keywords | リッチフロー |
Research Abstract |
4次元閉多様体上のリッチフローが特異性において3次元のハミルトンアイビー型漸近的曲率評価の類似がどの程度なりたち得るか、について研究を進めた。ケーラーリッチフローにおいて、ブローダウンを行うような特異性モデルで、リッチ曲率が非負とならないような例がすでに知られている。したがって一般には3次元の類似は期待できないのであるが、交差数-1を持つCP^1が埋め込まれていない多様体では明らかに先の例をモデルとする特異性が生じ得ない。そこで、筆者は作業仮説として、「位相的に単純な4次元多様体においては3次元の類似が成り立つ。」という予想を立てた。考えるべき問題は多いが、まず予想を具体化するために、「どのような位相的条件がどのように曲率評価に反映させるか。」と「どのような曲率評価が最終的に成り立つか」をはっきりさせなければならない。考えるべき位相的条件、曲率評価それぞれについて、自然に要求される必須条件がある。位相的条件については最も単純には(ホモトピー)球面の場合がまず問題になるが、この種の曲率評価は特異性を手術で解消したあとも再び適用できる必要があるから、位相的条件は特異性の手術に関して不変であることが望ましい。したがって、指数やスピン構造などコボルディズムと密接に関わる条件であることが望ましい。また考えるべき漸近的な曲率条件はリッチフローで保たれる曲率条件であることが自然であるように思える。(ただし論理的にはかなずしもそうとはかぎらない)この制約を考えると現時点で知られている曲率条件の中では候補は2、3つほどに絞られる。このような考察を指針としてさらに作業仮説について研究を進めているところである。
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