2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740034
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
戸田 正人 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80291566)
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Keywords | リッチフロー |
Research Abstract |
ペレルマンの3次元リッチ流に関する画期的な考察を3次元以外のケースに一般化することにを目標に、ます特異性における曲率やその微分の評価を行うことを手始めに行っている。今年度はペレルマンの基本的議論についてテキストとして図書にまとめ、19年度7月に出版の予定である。とくに曲率微分の局所評価について最大値原理により得られる結論についてはかなり簡単な議論で評価が得られることがわかった。しかし、実際に特異性の解析に必要とされる各点での評価を解析的に得るには最大値原理以外の技術が必要であるように思われる。 共役熱方程式を用いて、積分量の単調性を導いた上で解析を行うアイデアはペレルマンにより局所非崩壊性を導くために用いられたが、曲率評価を導く場合に同様に適切なテンソルの共役熱方程式を用いて、とくにハルナック型の評価がえられるのではないかと考えて、研究を進めている。現状では適切な共役熱方程式がどのようなものか模索している状況である。実際にそのような評価がたとえばスカラー曲率について得られればコンパクト性の議論で基点の曲率条件と局所非崩壊性の仮定のもと、少なくとも局所収束定理が得られる。 収束を大域化するためには特異性における曲率の下からの評価を得る必要があるものと思われるが、得られた曲率の評価を古典的なテンソルの最大値原理の議論に再び持ち込んで、特異性における曲率の下からの評価を得るための議論についても考察を行っている。
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