2005 Fiscal Year Annual Research Report
積分幾何学による変分問題:ラグランジュ部分多様体のハミルトン体積最小性
Project/Area Number |
17740040
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 高司 首都大学東京, 都市教養学部理工学系数理化学コース, リサーチ・アシスタント (30381445)
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Keywords | 積分幾何学 / 等質空間 / 対称空間 / シンプレクティック多様体 / ラグランジュ部分多様体 / ハミルトン安定性 / 変分法 |
Research Abstract |
論文"Kinematic formulas for integral invariant of degree two in real space forms"では、実空間形内において部分多様体の第二基本形式の2乗ノルムの積分値、および2乗平均曲率の積分値のよって定まる積分不変量に関する交叉積分公式の具体的な表示を与えた。Howardは第二基本形式に関する不変同次多項式によって積分不変量を系統的に定義し、実空間形においてこれらの積分不変量に関する交叉積分公式は部分多様体の積分不変量によって書き表すことができることを示した。これによりPoincareの公式やChern-FedererおよびChenによる交叉積分公式などを統一的に述べることに成功している。我々の結果によって実空間形において2次の不変同次多項式から定義される積分不変量に関する交叉積分公式が完全に決定されたことになる。また、最近の研究によって、上の論文で得られた2次の積分不変量に関する交叉積分公式は二点等質空間の超曲面についても成り立つことが分かった。二点等質空間は接空間内の球面にイソトロピー群が推移的に作用するという性質を持つので、交叉積分公式を定式化におけるイソトロピー群上の積分を球面上の積分に帰着させることができる。これにより実空間形の場合に得られていた交叉積分公式を二点等質空間の場合に転送できるのである。これは積分幾何学において基本的である"転送原理"がより弱い条件の下で成立するのではないかということを示唆している。 Poincareの公式がある種の部分多様体の体積最小性の証明に応用されていることの類以として、今回得られた2次の積分不変量に関する交叉積分公式をこれらの積分不変量に関する変分問題に応用することが今後の課題である。
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