2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 広志 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20378962)
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Keywords | tree metric / tight span / split decomposition / polyhedral subdivision / discrete convexity / greedy algorithms / submodularity / phylogenetic combinatorics |
Research Abstract |
離散凸解析と離散距離空間の理論と応用に関して,本年度は以下のような成果を得た. 1.tight spanとスプリット分解法の理論が点集合の正則多面体分割の構造に深く関わっているという知見が得られ,それによりスプリット分解可能な離散凸関数は,正則多面体分割全体のなす空間である2次扇の単体的部分扇をなすということが認識された.これらの知見は論文(H.Hirai, Discret.Comput.Geome.掲載予定)の改訂時にも生かされている. 2.4点条件を拡張した「木の上の部分木族間の距離の特徴付け」(H.Hirai, Ann.Combin.掲載予定)とTropical行列式との興味深い関連が見つかり,現在その方面の研究を進めている. 3.拡張スプリット分解法の系統学への応用を検討した.その結果,欠損を含むようなDNA列の解析に対し,欠損という不確定性を解析・表現する方法論を提供できる可能性があることが分かった.このようなデータに拡張スプリット分解法を適用すると,生物種が頂点ではなく部分木に対応することがある.この頂点から部分木への広がりがその生物種が系統樹における不確定性を表している解釈できるのである. 4.離散点上に定義された離散凸関数を「同じ多面体分割を誘導する」という同値関係で分類するという立場にたって改めて劣モジュラ関数の理論を整理することを試みた.それにより単体に星状細分を繰り返して得られる三角形分割の離散構造によって劣モジュラ性をさらに一般化した双対貪欲システムが統一的に理解できることがわかった.この研究の一部をハンガリーで開かれた「日洪離散数学とその応用シンポジウム」で発表した.現在これらの成果をまとめた論文の投稿の準備をしている.
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Research Products
(2 results)