2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740062
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
金 大弘 熊本大学, 工学部, 講師 (50336202)
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Keywords | 摂動パラメータ付き拡散過程 / 脱出時間分布 / スペクトラル・ギャップ |
Research Abstract |
正則性(regularity)を持っていない白色雑音のゼロ極限問題(zero white noise limit problem)における理論的体系およびその応用問題を考えるのが本研究課題の中心的部分である。この問題を確率論的に形式化すると「摂動パラメータ付き確率過程における挙動を解析することになるが、そのなかでも特に、摂動パラメータ付き拡散過程における任意領域上の脱出時間分布の挙動や任意領域滞在時間分布の挙動などの解析を具体的に行うことに興味を持った。 平成17年度の研究では、正則性を持っていないポテンシャル関数の勾配をドリフト項として持つ摂動パラメータ付き拡散過程における任意(滑らかでない)領域上の脱出時間分布の挙動について一連の解析結果を得た(研究成果参照)。方法論的には、拡散過程に対応する解析学的概念である強局所ディリクレ形式におけるスペクトラル・ギャップ(spectral gap)の摂動0に対する漸近挙動とポテンシャル関数における任意領域上のある幾何学的量の関係に対する特徴付けが重要な道具となっている。この研究結果は、物理数理や工学分野でも応用の幅が広い焼きなまし過程やランダム環境をもつ多次元拡散過程(multi-dimensional diffusions with random environments)に関する非正則条件のもとでの新たな理論展開にも、その波及効果を期待している。 今後の研究計画としては、焼きなましモデルをはるかに含む一般的な非同次確率過程、すなわち、時間に依存する摂動パラメータ付きのスペース・タイム拡散過程(space-time diffusions)における任意領域上のhitting probabilityの解析を行う予定である。
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