2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740062
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
金 大弘 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 講師 (50336202)
|
Keywords | パラメータ付き拡散過程 / ランダム媒質中の集合値拡散過程 / 脱出時間分布 / ポアンカレ型不等式 |
Research Abstract |
19年度の研究成果として、自己相似性をもつ多次元ランダム環境の下での拡散過程における長時間挙動解析及びその結果を応用した集合値拡散過程の長時間挙動解析の結果を得た。いずれも正則性を持ってない重みポテンシャルつき拡散過程の白色雑音ゼロ極限問題において、ディリクレ形式論とそれに対応するマルコフ過程論を主な道具として使う解析的取り組みの産物である。この研究より、確率論的問題である「摂動パラメータ付き確率過程における挙動解析」は、ランダム環境が多次元の場合、ディリクレ形式論などの解析学的アプローチが非常に有効な手段として、ひとつの突破口になることが示された(研究成果は現在審査中)。 研究は摂動パラメータが時間に依存する一般的な場合まで及んだ。ランダム環境の下での取り組みではないが、このようなモデルは、物理数理や工学分野でも応用の幅が広い焼きなまし過程の一般的な拡張の意味をもち、ディリクレ形式に対するポアンカレ型不等式の表現による応用問題として定式化することができた。また、時間によって変化する領域の上を、その時間に依存する拡散パラメータをもつ拡散過程が動いているとき、そのスペース・タイム領域を脱出するための領域・拡散係数の条件などが示された(研究成果は現在審査中)。ランダム環境がドリフトをもつ場合や時間に依存する場合などのさらなる応用、並び拡張への可能性が伺える。
|