2005 Fiscal Year Annual Research Report
スプラインによる数値調和解析の研究と非線形偏微分方程式への応用
Project/Area Number |
17740064
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上野 敏秀 首都大学東京, 都市教養学部・数理科学コース, 研究員 (40381446)
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Keywords | スプライン / サンプリング近似 / ウェイヴレット / 境界スプライン / 線の方法 / Galerkin法 / 高精度補間 / ニュートン補間多項式 |
Research Abstract |
(1)スプライン基底関数の構成 高精度なサンプリング近似(選点近似)を実現する基底関数の構成を行った。Strang-Fix条件とモーメントに関する条件を満たすようにカーディナルB-スプラインの一次結合により構成した基底関数は、コンパクト・サポートを持ち高精度なサンプリング近似を可能にするという特徴を持つ。高精度な選点近似を行える関数としては、Coifmanスケーリング関数が知られていたが、基底関数自身の滑らかさ、コンパクト・サポートの狭さ、対称性という観点から改良を行ったものである。 また、現実問題への応用・適用を考えると、有界領域上で高精度に近似する基底関数が必要である。境界付近の基底関数の導出に上記の基底関数とニュートン補間多項式を用いることで、境界付近に於いても高精度にサンプリング近似可能な境界スプライン基底関数を構成した。この基底関数も上記の二つの条件を満たしているものである。 (2)偏微分方程式への適用 (1)で構成した基底関数を利用して1次元ではBurgers方程式、2次元ではKadomtsev-Petviashvili(KP)方程式の数値解の導出に適用した。線の方法による解の近似とGelerkin法による常微分方程式系の導出により数値解を求めるものである。 提案手法により導出したBurgers方程式の数値解は、理論上同精度な差分法より高精度な数値解であることを示すことができた。またKP方程式においては、数値計算上の理由からGalerkin法の適用方法に工夫が必要であることを発見し、その対処方法により高精度かつ安定な数値解を導出することに成功した。
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