2007 Fiscal Year Annual Research Report
古典系及び量子系におけるサリスエントロピーを基礎とした非加法的情報理論の構築
Project/Area Number |
17740068
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
古市 茂 Tokyo University of Science, Yamaguchi, 基礎工学部・電子・情報工学科, 講師 (50299327)
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Keywords | 情報理論 / エントロピー / Tsallisエントロピー / 作用素論 / トレース不等式 / 量子情報理論 / 関数解析 / 統計力学 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き次の点を中心に研究実績を上げた. 1.量子Tsallisエントロピーの一意性を証明した. 2.量子Tsallisエントロピーがvon Neumannエントロピーの拡張であることに着目し, Fannesの不等式を一般化し量子Tsallisエントロピーの連続性をしめした. 上記の結果はJournal of inequalities in pure and applied mathematicsに掲載された. 本研究課題は今年度が最終年度であるため,古典系のTsallisエントロピーの結果および量子系のTsallisエントロピーの結果についてまとめた.これらの論文は,次の講究録からそれぞれ出版された. ・Some results on Tsallis entropies in classical system, 数理解析研究所講究録-非加法の数理と情報:函数解析の視点から- ・Some results on Tsallis entropies in quantum system, 数理解析研究所講究録-線形作用素の理論と応用に関する最近の発展- 最後に,数学的な興味からTsallisエントロピーと行列トレース不等式に関する結果が,次のプロシーディングスで発表された. ・A mathematical review of the generalized entropies and their matrix trace inequalities, Proceedings ofWEC2007. また,情報科学に関する関連した成果として, Shorのアルゴリズムの計算時間を正確に記述したものがある.さらに,掲載予定ではあるがskew informationに関するトレース不等式などの成果がある.
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