2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガルニエ系,および退化ガルニエ系の有理解の決定と,変換群の構造
Project/Area Number |
17740075
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川向 洋之 三重大学, 教育学部, 助教授 (00303719)
|
Keywords | パンルヴェ方程式 / ガルニエ系 / 有理解 |
Research Abstract |
数理物理の分野で重要な方程式に,パンルヴェ方程式と呼ばれる6種類のものがある.これらの方程式は,正規形で書かれた2階の代数的常微分方程式で,パンルヴェ性(解の特異点で,その位置が初期条件に依存するものは極しかないという性質)を持つものを分類した結果,得られたものである.一方,これらの方程式は,4つの確定特異点と,1つの見かけの特異点を持つ線形方程式,およびその特異点を合流させて得られる線形方程式の,モノドロミー保存変形と呼ばれるものから得られることが知られている.木村弘信氏はこの結果をもとに,5つの確定特異点と,2つの見かけの特異点を持つ線形方程式,およびその特異点を合流させて得られる線形方程式のモノドロミー保存変形を考え,8種類の方程式系を導いた.(今日,パンルヴェ方程式を2変数にしたものと言えば,木村氏のこの8種類の方程式系を指すことが多いようである). 研究代表者は,平成18年度の研究において,木村氏の導いた方程式系以外にも,パンルヴェ性を満たす2変数の方程式系があることを示した.より具体的に言うと,ポアンカレ・ランクが半整数の線形方程式のモノドロミー保存変形を考え,そこから得られる非線型方程式系をハミルトン系で記述し,その有理解を調べた.また,これらの有理解分布状況を調べることにより,どのような双有理な正準変換を施しても,研究代表者が導いた方程式系は,木村氏の8種類の方程式系に帰着しないことを示した.
|
Research Products
(1 results)