2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水町 徹 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (60315827)
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Keywords | 非線形シュレディンガー方程式 / 定常波解 / 漸近安定性 / 特異摂動法 |
Research Abstract |
本年度は,非線形シュレディンガー方程式iu_t+Δu+V(x)u+f(u)=0のパルス解の安定性と,それに関連してscalar field方程式の定常解の性質の研究をした.例えば方程式がレーザー光のモデル方程式である場合,解uの絶対値はレーザー光の強さに相当する量である. 1)定常波解の漸近安定性:空間一次元の場合に,-∂^2_x+V(x)が負の固有値を唯一つもち,レゾナンスがスペクトル集合に含まれないという仮定の下で,f(u)=|u|^(p-1)u(p【greater than or equal】5)かつ初期値のエネルギーノルムの小さな場合に,解は定常波解と線形分散波の和に時刻無限大で収束することを示した.重みつき空間の場合には,この結果はSofer-Weinsteinによって示されており,空間次元3次元以上の場合にはGustafson-Nakanishi-Tsaiらによって示されている.本研究では,まずtime-globalなmaximal type estimateを導出し,その結果を利用して空間1次元の場合に,中西氏らの結果を拡張した. 2)scalar field方程式の最小エネルギー解の性質:線形ポテンシャルV(x)≡の場合,非線形シュレディンガー方程式の定常波解が安定になることが知られているのは,大別して次の二通りの場合である.i)f(u)=|u|^(p-1)uで,非線形項の次数pが小さいとき,ii)高次の非線形項であるが,|u|^2u-|u|^4uのようにsaturationの効果が働くとき.(ii)の場合,サイズの大きな最小エネルギー定常波解が安定であることはAnderson'71により指摘され,Shatah-Straussらの方法から安定性が従うことが数値的に検証されている.定常波解のサイズが大きくなるほど安定性の度合いが強まるので,この問題は解のサイズの逆数をパラメータとして特異摂動法の立場から解析することが可能である.本年度の研究により,最小エネルギー解の形状,一意性,安定性などは特異摂動法を用いて計算できることがわかった(一意性にっいては,Dancer'99の結果の一部に対する別証明).
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Research Products
(1 results)