2006 Fiscal Year Annual Research Report
代数解析学に於ける線型偏微分方程式系の初期値及び境界値問題の研究
Project/Area Number |
17740085
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 晋 日本大学, 理工学部, 助教授 (00349953)
|
Keywords | 代数解析学 / 超局所解析学 / D加群 / 佐藤超函数 / 初期値,境界値問題 |
Research Abstract |
佐藤超函数に関して,いわゆる小松・河合及びSchapiraの割算定理は,非特性な場合には単独方程式から方程式系に,更にはLaurent-Monteiro Fernandesによって,Fuchs型の方程式系にまで拡張されている.これらは,特に境界値問題の定式化に本質的な役割を果たしており,重要な結果である.これをSchwartz超函数解に取り替えた時も,従来の結果を組み合わせるで,全く同様の結果が得られる事が容易に判る.次にGevery型のultradistribution解を考えると,非特性の場合は,単独方程式の時は,既に小松によって証明されており,方程式系に関しては,この結果から容易に示される.そこで私は,Fuchs型偏微分方程式に対して,同様の割算定理を考察した.その結果,方程式に応じて「非正則度」が定まり,ultradistributionのGevery orderがその非正則度より小さい時は割算定理が常に成立するが,非正則度の条件を満たさない時は割算定理が成立しない例がある事が証明できた.この結果は,東京大学代数解析火曜セミナー(2006年5月)及び京都大学数理科学研究所研究集会「微分方程式系の代数解析と完全WKB解析」(2006年12月)で発表された.又,後者は京都大学数理科学研究所別冊シリーズで発刊のproceedingで発表される予定である.又,その後の進展として,単独方程式から,方程式系への拡張が可能である事が最近判った(論文準備中).
|