2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形弱双曲型システムの解のライフスパンに関する研究
Project/Area Number |
17740088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 保 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90301077)
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Keywords | 双曲型 / システム / ライフスパン |
Research Abstract |
高階の非線形双曲型システムに取り組む上で、第一ステップとなる非線形問題をモデル化した線形問題の大域解の存在に重点をおき、次のことに着目して本年度は研究を行った。 (1)特性根の個数を表すシステム(主部の行列)のサイズ。 (2)特性根の重複度を表すシステム(主部の行列)のランク。 (3)重複する特性根の形から制限される"システムの低階の項の形"(レヴィ条件)。 関数空間Gevreyクラスにおける大域解の存在は、既に多くのことが明らかになっているが、無限回微分可能なクラスにおける大域解の存在について、以下の順序にしたがって、本年度の研究を進めた。 1.フライベルグ大学のM. Reissig氏と、サイズが2×2のシステムに限定し、さらに(2)の考察が必要ない強双曲型の場合に、方程式の係数が端点において激しく振動する係数の与える影響について詳しく研究を行った。 2.ピサ大学のF. Spagnolo氏、ローマ大学のP. D'Ancona氏と、同じくサイズが2×2のシステムに限定することで、(2)の考察も必要となる弱強双曲型の場合に、(2)(3)についての非常に詳しい研究を行った。特に係数の滑らかさと大域解の存在との関係が明らかになった。 3.さらにフライベルグ大学のM. Reissig氏、トリエステ大学のD. Del Santo氏と、単独の2階の方程式であるが、物理的に大きな意味をもつKlein-Gordonタイプ方程式に対して、ライフスパンの研究を行った。この研究は、今後の非線形問題へ発展させる上でも、大変に意義があると思われる。 今後、テキサス大学のK. Yagdjian氏ともライフスパンとも関係のある減衰評価についても研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)