2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740100
|
Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
西川 雅堂 鳥羽商船高等専門学校, 一般教育, 助教授 (50350484)
|
Keywords | 関数方程式 / 粘性保存則 / 非線形波 / 安定性 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
空間多次元の単独粘性保存則に対して導入されたL^pエネルギー法は,初期値問題でW^{1,p}空間における非線形波の最良の減衰率を導くのにも有効であることは知られている.この方法は申請者による空間2次元初期値問題における希薄波の安定性を多次元への拡張、さらには初期値-境界値問題の非線形波の安定性問題への拡張をすることもできる.そこで同問題において,定常波の安定性についてさらなる応用を試みている.考える空間をn次元半空間(x,y)∈(0,∞)×R^{n-1}とし,さらに流速関数を狭義凸関数と仮定する.初期値が境界{x=0}及び,x方向について,無限遠方で定数状態であるとき,適当な条件のもとで定常波が現れるが.この定常波に,摂動を加え,この摂動が時間無限大にしたときに減衰するかを考察した.その際,この摂動にさらなる条件を加えて考えた.ここでは,初期摂動が空間無限方向に多項式オーダーで減衰する場合を考察した.このオーダーをαとしよう.結果として,摂動のL^∞での減衰率は熱方程式のそれに加えて,このαが反映した分α/2だけオーダーが良くなった.ここで注意すべきは,空間y方向の微分の減衰は熱方程式のそれと一致しているが,x方向については境界の影響もあり減衰が遅かったことで,これは初期値問題の場合の結果と一致している.この結果は現在執筆中であるが,依然時間についての減衰率に関し不満が残るため,引き続き考察を行っている.これまで,Gagliardo-Nirenbergの不等式に摂動自身のL^p評価と空間方向のL^p評価を用いて評価していたが,それに代わる基本解を用いたより詳しい評価法を行った.これら考察では最良の結果は得られていないが,他の非線形波の安定性などの応用面も考慮すると有意義な方法と思われる.
|