2005 Fiscal Year Annual Research Report
偏光撮像観測に基く彗星コマ中での塵の崩壊過程の解明と集積塵のモデル構築
Project/Area Number |
17740112
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古荘 玲子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (70373040)
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Keywords | 天文学 / 惑星科学 |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究を行った。 (1)偏光撮像装置専用撮像システムの製作 彗星用偏光撮像装置専用の撮像装置(冷却CCDカメラシステム)を整備した。ベースとなるCCDカメラの選定と試験を行い、装置への装着機構についても検討を行った。また、来年度初めにも試験観測を行う準備を整えた。 (2)彗星の観測 平成17年7月4日に探査機から(9P)テンペル第1周期彗星にプロジェクタイルを打ち込み彗星核内部構造や物質放出を観測するというNASAの彗星探査(Deep Impact探査)の地上観測地上観測を行った。 この観測は、台湾國立中央大學鹿林天文台1m望遠鏡の公募観測へ同大學研究グループとの共同観測として応募した。観測のために偏光撮像装置を台湾へ移送し、また、撮像装置は台湾グループ所有のCCDカメラを借用した。7月1日から観測準備を行い、衝突イベントの前夜(7月3日)、衝突当夜である7月4日(衝突から6時間後)、および衝突1日後(7月5日)のデータも取得することができた。観測自体は7月10日まで継続して同彗星をモニタしたが、天候などの影響もあり、意味あるデータは恐らくこの3夜分と考えられる。本観測を含むDeep Impact探査の地上観測ネットワークの成果は、全体のオーガナイザであるKaren Meech博士を主著とする速報が米サイエンス誌に掲載された。 また、同じ観測期間に、(21P)ジャコビニ・ツィナー周期彗星の観測データも取得することができた。 (3)観測データの解析 上記観測データ(主に(9P)テンペル第1周期彗星)の解析を行った。解析には現有する計算機および国立天文台共同利用ワークステーションなどを活用した。 現在、解析結果にもとづいた報告論文の投稿準備中である。
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