2005 Fiscal Year Annual Research Report
重力レンズで探究する宇宙の大規模構造形成の統一的理解
Project/Area Number |
17740116
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
浜名 崇 国立天文台, 光赤外研究部(H17年10月末まで)理論研究部(H17年11月1日より)・研究員, 上級研究員 (70399301)
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Research Abstract |
本研究課題の平成17年度の主な成果は以下の2点である。 (1)「Subaru weak lensing survey」プロジェクト(PI:宮崎聡・国立天文台)の撮像観測データの処理を完成させた。重力レンズ解析を行うために必要なデータの質を確保するためにデータ処理のプロセスの中で次の2点(A)同じ領域の複数の撮像データを非常に高い精度で重ね合わせる。(B)望遠鏡や撮像カメラによって引き起こされる像の変形を正しく補正する。については通常のデータ処理プログラムではなく独自のプログラムを開発した。このプログラムの詳細については論文にて報告する予定である。また処理された撮像データから天体検出を行い天体の数計測や等級-数密度関係等の基礎的統計データを調査した。 (2)宇宙論的N体シミュレーション計算でもって作られた疑似宇宙での重力レンズ効果の数値シミュレーションデータを用いて重力レンズ効果の統計量を計算し理論モデルの検証を行った。 本研究課題に関連する平成17年度の主な観測出張、成果発表、研究会出席は以下の通りである。「Subaru weak lensing survey」プロジェクトに関する観測のためにアメリカ合衆国ハワイ州にあるすばる望遠鏡に出向き観測を行った。「Subaru weak lensing survey」プロジェクトの初期成果の発表と次期観測機器を用いたweak lensing surveyの検討のためにアメリカ合衆国カリフォルニア州カリフォルニア州立工科大学にて行われた研究会に参加した。また国立天文台において開かれた「超広視野撮像/分光器で目指す観測的宇宙論」研究会においてweak lensing surveyの将来計画の検討を行った。
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