2005 Fiscal Year Annual Research Report
星の高精度位置測定による銀河の力学構造の構築に関する研究
Project/Area Number |
17740118
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
矢野 太平 国立天文台, 光赤外研究部, 上級研究員 (90390624)
|
Keywords | 銀河 / 位置天文 |
Research Abstract |
銀河力学構造の解明を主な目的の一つとする、日本での位置天文観測衛星計画であるJASMINE計画が、ヨーロッパでの位置天文観測衛星計画GAIAとならんで推し進められている。このJASMINE計画を検討、推進する一方で、観測衛星による高精度アストロメトリー情報が出る前にそういったデータから、銀河力学構造を解明するための手法を検討してきている。 銀河の力学構造を解析する手法として、シュバルツシルトの方法、トーラス構築法といったものが代表として上げられるが、両者はそれぞれ、一長一短がある。さらには、シュバルツシルトの方法を改良、発展させたSyer & Tremaineの手法というのも提案されている。まずはこういった手法を整理することから取り掛かった。 本年度は銀河力学構造の解明にもっとも有力な手法であると考えているトーラス構築法(積分量の分かっているハミルトニアンと求めたいハミルトニアンとの関係を導く事で、求める銀河ポテンシャルの孤立積分を求める方法)を中心に検討整理した。1次元ポテンシャルでのトーラス構築に関してはほぼ、検討が完了し具体的プログラムの開発も終了している。その後、2次元ポテンシャルでのトーラス構築の検討を中心に行ってきた。その検討の中で、トーラス構築法の問題点、改良すべき点などをある程度明らかにし、整理する事が出来た。こうした検討の中で、新たに、Syer & Tremaineの方法も有力な手法である事が分かってきた。そこで、このSyer & Tremaineの手法の検討、整理もあわせて進めて来た。
|