2005 Fiscal Year Annual Research Report
超対称模型に固有なCPの破れの暗黒物質およびニュートリノ振動への影響
Project/Area Number |
17740131
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 丈 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60322294)
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Keywords | 超対称性 / 量子力学の原理的問題 / ニュートリノ |
Research Abstract |
超対称を持つように拡張された標準理論は、様々な理由から現在の標準理論を超える物理を提供すると考えられている。その理由の一つとして、暗黒物質の残存量を説明しうる点が上げられる。この拡張された模型は、もうすぐLHCである程度のことが観測できると期待されている。この観測において、宇宙の暗黒物質の残存量を説明するあるパラメタ領域において、stauと呼ばれる粒子が大変超寿命になることを示し、このことが、宇宙の観測との重要なクロスチェックになることを示した。さらには、このチェックを通してレプトンフレーバーの破れへのヒントを得られることも示した。 一方、このような新しい物理は、将来のニュートリノ振動実験において、新しい信号を出しうる。具体的には、ループの二重勘定や、不確定性関係、そして荷電レプトンにおけるレプトンフレーバーの破れに関する現在の制限をきちんと考慮して計算した。残念ながら、荷電レプトンにおけるレプトンフレーバーの破れとの相関が強く、それらの現在の実験からの制限を考慮に入れるとあまり大きくなりそうにはないことが分かった。 そのため、より詳しい実験を行う必要があることから、今までとは違うタイプの実験を提案した。具体的には原子核による電子捕獲を利用してニュートリノを作ろうというもので、この過程においては、原子核の静止系におけるニュートリノのエネルギーが非常に良く定まっていることから、より精密な実験ができる可能性があることを示した。
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