2006 Fiscal Year Annual Research Report
超対称模型に固有なCPの破れの暗黒物質およびニュートリノ振動への影響
Project/Area Number |
17740131
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 丈 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (60322294)
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Keywords | ニュートリノ / 電子捕獲 / 暗黒物質 |
Research Abstract |
超対称性を入れた標準理論の対抗馬として盛んに研究されているUniversal Extra Dimension模型において、ニュートリノ振動を説明するために、Dirac型の質量を入れた模型を考察した。この類の模型では、美技巻き型ニュートリノのKalza-Kleinモードが暗黒物質の候補となり得るが、このことについて詳細に調べた。その結果、この類の模型ではこれまでのニュートリノを考慮していない模型で問題であった「重力子のKalza-Kleinモードが暗黒物質になってしまい、それによってこれより少しだけ重い粒子が宇宙の発展のかなり後まで残り、それが重力子へ壊れることによって背景光子についての予言が現在の観測と異なる」という問題が解決できることを見いだした。これらの研究については、既に何回も国際会議で発表を行っており、もうすぐ論文も出版できる予定である。 一方で、ニュートリノ振動実験においてエネルギーが精度よく決まったビームを作るためのアイデアとして、電子捕獲によるニュートリノを使うという案を以前出した。このままでは補角率が低いのでそれを大幅にあげるため、親の原子核にレーザーを当てるというアイデアを考え、このアイデアが妥当かどうかについて計算を行った。その結果は、充分強度のあるレーザーであれば数桁補角率を上げる可能性があるというものだった。こちらも、既に何回も発表を行っており、さらにはProgress of Theoretical Physicsへの掲載も決まっている。
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