2006 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーカミオカンデ検出器較正用線源開発および太陽ニュートリノスペクトル精密測定
Project/Area Number |
17740133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小汐 由介 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 助教 (80292960)
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Keywords | 太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / スペクトル精密測定 / ニッケル線源 / 検出器較正 |
Research Abstract |
本年度は、まずスーパーカミオカンデIIIでの太陽ニュートリノ観測に必要不可欠な検出器較正を行った。7月の実験開始直後に11129本の光電子増倍管全ての高電圧を決定した。その際、昨年度のうちに精度良く測定しておいた412本の光電子増倍管の高電圧値を基準として、その他の高電圧値を決定した。ここでは光源としてキセノンランプを用い、その光をタンク内に沈めたシンチレータボールで等方的に発光させた、その結果、全光電子増倍管の利得を1%の精度で合わせることに成功した。さらに光電子増倍管の量子効率の個体依存性の測定を行った。量子効率については、特に製造年による個体依存性があることが報告されており、それを精度良く求めることが実験を成功させる上で非常に重要になる。ここではカリフォルニウム中性子線源をニッケル毛金属内に設置し、発生する約9MeVのガンマ線を検出器較正源とし、全ての光電子増倍管に1光子レベルの光が到達するようにして測定を行った。この測定結果をシミュレーションプログラムに反映させることにより、本研究で特に重要な事象のエネルギー決定精度を向上させることができた。 さらにスーパーカミオカンデIIIにおける太陽ニュートリノデータ解析も合わせて行った。解析ツールおよびシミュレーションプログラムの改良を行い、データ解析を行った結果、期待通り本陽からのニュートリノ信号を確認した。 また、スーパーカミオカンデIにおける太陽ニュートリノ観測における論文をまとめ、Physical Review D誌に報告した。
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