2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 英斉 東京大学, 大学院・理化学系研究科, 助手 (30376529)
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Keywords | 実験核物理 / 不安定核ビーム / 天体核 / 共鳴散乱 / ガンマ線分光 |
Research Abstract |
^7Be(p,γ)^8B反応の直接測定を行う前段階の実験として計画した、陽子弾性共鳴散乱の手法を用いた^8Bの構造決定であるが、今年度中に理化学研究所のAVFサイクロトロンと東大のCNSのCRIB施設を使用し、5日間の測定を行った。その結果、過去の実験データと比較して、広いエネルギー範囲(過去の3.5MeV以下のエネルギー範囲に対し、最高7MeV以上まで)、様々な散乱角度におけるデータを収集することができた。また、NaI検出器でガンマ線の測定を同時に行うことによって、過去の実験では考慮されていなかった非弾性散乱のデータを収集することができた。このようなNaIを用いたガンマ線測定、それに、不安定核^7Beビームの大量生成は、^7Be(p,γ)^8B反応測定の試行という意味でも有意義であったと言える。今後、実験データの解析を進め、^8Bの構造決定を行い、それが^7Be(p,γ)^8B反応測定に与える影響を調べていく予定である。 また、^7Be(p,γ)^8B反応の測定に必要となる低温気体ターゲットであるが、液体窒素の自動補給による期待冷却、ターゲット気体の30,l/min以上の強制循環、気体中の酸素濃度測定といった特長を使った装置を設計し、本年度中に基本的な製作が完了した。現在は装置を実験室に設置し、冷却・循環動作テスト等を行っている段階であるが、来年度には更なる開発を進め、実験装置としての完成を目指す。
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