2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740136
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白水 徹也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10282716)
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Keywords | 宇宙論 / 超弦理論 / 宇宙項 / 重力理論 |
Research Abstract |
究極の理論の有望な候補である超弦理論が示唆する宇宙にブレーン宇宙というものがある。そこでは我々の宇宙は高次元時空中を漂う薄膜のようなものである。これまで、世界では単純な模型によって宇宙論の解析が行われてきたが、近年、我々のグループを中心に超弦理論の低エネルギー理論である超重力理論に基づいたブレーン宇宙の研究を行っている。よりブレーン宇宙の現実的な模型の解析を念頭においている。しかし我々の以前の研究から、超対称性を課す場合、ブレーン上の場がブレーン上の重力の源になれないことが分かっていた。これは模型構築の上で大きな障害となる。しかし、現実の低エネルギーの世界では超対称性は破れている。そこで、超対称性が破れている模型を構成し、ブレーン上の重力方程式の導出を行った。驚くべきことに、超対称性の破れによって、ブレーン上に宇宙項が誘起されると同時に、ブレーン上の場がブレーン上の重力の源になっていることがわかった。この結果は宇宙項存在と重力理論との直接関係を示すものであり、この発見は大変意義深いと考えられる。 そのほか、衝突するブレーンによって創造される熱い火の玉宇宙のシナリオを念頭に置き、近接ブレーン系におけるブレーン上の有効理論の系統的導出を行った。また、ブレーン宇宙で示唆される高次元ブラックホールの製造実験の数値シミュレーションの第一段階的な研究を行った。具体的には、初期データの構築を行った。
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Research Products
(6 results)