2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740136
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白水 徹也 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (10282716)
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Keywords | 初期宇宙 / ブレーン / エンタングルメントエントロピー / 高次元ブラックホール / 宇宙項 |
Research Abstract |
超弦理論の進展により、我々の宇宙は高次元時空を運動する薄膜(ブレーン)として考えるシナリオが提案された。今年度はインフレーション宇宙を支えている真空のエネルギーの理解をエンタングルメントエントロピーの観点から深めることに成功した。特に、高次元からみた場合に、エンタングルメントエントロピーが幾何学的に理解できることを示した。具体的には、数学分野で大きな研究対象の一つである極小曲面の面積を計算することでエントロピーの評価が可能となる。原理的には量子計算が幾何学的な量で表現できるのである。また、エントロピーの普遍的な理解のための第一段階としてGauss-Bonnet項がある場合のブレーン上の重力理論の導出を行なった。 また、ブレーンワールド宇宙で予言される加速器でのブラックホール生成実験のための、数値シミュレーションに対する初期データの構築を行なった。更に、ブレーン上のブラックホール時空に対する解析の第一歩として、静的なブラックホール時空のまわりに物質が存在し得ないことを数学者の協力によって証明することに成功した。
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