2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒッグス場の起源とクォーク・レプトンの世代構造の研究
Project/Area Number |
17740146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波場 直之 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00293803)
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Keywords | Higgs / 余次元理論 / 世代混合 / 超対称性 / 質量階層性 |
Research Abstract |
世代構造の起源を理解する上で、ニュートリノの質量起源、混合起源が大きな鍵となる。5次元理論から出発し、left-handedレプトンは、4次元のブレーン上でのみ定義され、right-handedニュートリノが5次元全体で定義されている場合、5次元シーソー機構がおこり、レプトン部分での大きな混合角が自然に説明できることをしめした。3世代のスケールの違いも5次元バルクでの質量の入れ方で調整できることも示した。特に、SU(2)_LxSU(2)_RxU(1)_(B-L)モデルでは、universalシーソー機構が起る。4次元では、ニュートリノの小さな質量を説明するためには非常に大きなvectorlike質量M_4Dを導入せねばならないが、5次元では、Kaluza-Klein励起モードの効果で、fine tuningなしで、コンパクト化のスケールのvectorlike質量M_5Dによりニュートリノの微少な質量が説明できることを明らかにした。5次元での質量公式は、4次元の公式でM_4Dを2M_*tan(pi R M_5D)(M_*は5次元のPlanckスケール)で置き換えればよいことを見いだした。 4次元の超対称モデルで、anomaly mediated SUSY breakingが起る場合、mu-tau対称性により、混合角theta_(13)が消え、かつ混合角theta_(23)がmaximal(最大)になることを示した。mu-tau対称性の小さな破れにより、観測されているニュートリノ混合が説明できる。 Split-SUSYモデルをSUSY_GUYに拡張すると、GUT粒子がgauge mediationのmessengerの役割を果たすため、soft scalar質量が10^10 GeV以下でないといけないことも示した。これは、GUTへの拡張が容易でないことを意味する。
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Research Products
(4 results)