2005 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギーRIビームによる高アイソスピン共鳴状態の研究
Project/Area Number |
17740149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺西 高 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (10323495)
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Keywords | 原子核実験 / 不安定核 / RIビーム / 中性子過剰核 |
Research Abstract |
本研究ではドリップライン近傍の高アイソスピン共鳴状態を不安定核と陽子の共鳴弾性散乱により測定し、中性子または陽子ドリップライン近傍の高アイソスピン核における一粒子軌道に関する知見を得ることをめざす。これにより不安定核構造や天体核反応の議論に役立てることができると考えている。 実験では我々が開発した低エネルギー飛行分離法により、核子あたり5MeV程度の低エネルギーRIビームを生成する。これを陽子標的に照射し、反跳陽子を検出することにより共鳴弾性散乱を測定する。この方法によりこれまで困難であった不安定核の共鳴準位の測定を行い、それらの共鳴パラメータ(エネルギー、巾、スピン・パリティー)を決定する。 本年度は東京大学原子核科学研究センターの低エネルギー不安定核ビーム分離器CRIBを用いて核子あたり約5MeV、強度が10^5個/秒程度のRIビーム^8Liの生成に成功した。この2次ビームはサイクロトロンにより加速された1次^7Liビームから、逆運動学の^7Li(d, P)^8Li反応を用いて生成された。 次に、この低エネルギー^8Liビームを陽子標的に照射して、共鳴弾性散乱^8Li+p→^9Be^*→8Li+pの測定を行った。中間状態として生成される^9Beの高励起状態の中には、^9Be基底状態のアイソスピンT=1/2よりも高いT=3/2を持つものがある。これらは^9Li(T=3/2)核のアナログ状態であり^9Liの構造を調べる上で重要である。本実験では、これらの^9Be^*(T=3/2)共鳴を識別し、共鳴パラメータを決定するのが目標である。実験データは現在解析中である。陽子共鳴弾性散乱を中性子過剰核に対して行った例は本実験以外にほとんどない。今後他の中性子過剰核に対して本格的に適用するにあたって、本実験の経験を活かすことができると考えている。
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Research Products
(4 results)