2006 Fiscal Year Annual Research Report
インフレーションおよび暗黒エネルギーの模型の理論的な構築と最新の観測からの制限
Project/Area Number |
17740161
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
辻川 信二 群馬工業高等専門学校, 一般教科(自然科学系), 講師 (30318802)
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Keywords | インフレーション / 暗黒エネルギー / 宇宙背景輻射 / 超弦理論 / 特異点 / ファントム / 量子補正 / スケーリング |
Research Abstract |
本年度は、一般相対論を拡張したいわゆるf(R)重力理論による暗黒エネルギー模型の構築、スケーリング解を用いた暗黒エネルギー模型の妥当性の研究、超弦理論に基づく作用でのインフレーションする解の構築とスケール不変な密度揺らぎを生み出す可能性など、多様な研究を行った。 特にf(R)重力理論において、暗黒エネルギーおよび物質優勢期が存在するための条件を明らかにし、その成果はPhysical Review Letters誌およびPhysical Review D誌に発表し、既に出版されている。その成果は2006年9月の奈良女子大学での物理学会で発表を行なった。 また我々は、暗黒物質と暗黒エネルギーの密度が同じ比率で変化していくスケーリング解が存在するための条件を一般的なスカラー場のラグランジアンで明らかにし、その結果を用いて、現在の加速度宇宙がアトラクター解となるような模型が存在するかどうかを調べた。その成果は2006年8月の中国における国際会議と、2007年3月の首都大学における物理学会で発表を行った。 さらに、超弦理論の専門家とともに、超弦理論に基づくインフレーションにより生成される密度揺らぎに関して詳細な解析を行い、ある条件の下ではスケール不変な揺らぎが生成されることを示した。この研究は、超弦理論を宇宙背景輻射の観測から制限する上で、極めて重要な役割を果たすと期待される。 また、暗黒エネルギーに関する様々な研究成果が評価され、International Journals of Modern Physics Dの編集者から暗黒エネルギーについてのレビュー論文を書くことを依頼され、その論文はすでに同誌に出版されている。この論文は、すでに引用回数が200回を超えており、多くの研究者によって読まれていることを示唆している。
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Research Products
(6 results)