2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子線形加速器の大電流化のためのマイクロ波パルス圧縮の新方式の実証
Project/Area Number |
17740176
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉田 光宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (60391710)
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Keywords | 加速器 / エネルギー効率 / マルチバンチ / RFパルス圧縮 / 高次モード空洞 |
Research Abstract |
今後の電子線形加速器では大電流化のためにマルチバンチ方式が採用されると考えられる。マルチバンチの電子ビームを均一に加速するためには、加速による消費電力を補うようマイクロ波を台形にする必要がある。しかし従来の空洞方式のマイクロ波圧縮器を用いると、出力波形を台形にするには変調量が大きく電力損失が大きい。そこで本研究では、台形波出力に近い出力波形が得られる、群遅延とうねり波を用いたRFパルス圧縮の新方式の有効性を実証する事が目的である。実証に必要な構成物は、群遅延のための空洞列と、うねり波を作りさらに圧縮出力を取り出すための高速位相変調回路である。 本年度は、等価回路による過渡シミュレーションにより圧縮率が最大になるような空洞列の最適化を行った。また本研究に必要な空洞は奇数個の空洞列であり、11.424GHzの3空洞の空洞列を製作した。この空洞は、過渡的に10000波程度のマイクロ波を蓄積するため、Q値が15万以上の非常に高いQ値の空洞が必要になるが、このような高Qの空洞を構成するには材質に無酸素銅を用い、TE_<01,15>という壁損失の少ない高次モードを使用し、さらに内面は精密加工により切削した。さらに高Q空洞の周波数調整は加工のみでは難しいため、各空洞の共振周波数を容易に微調整ができるテストスタンドを製作した。この試験装置を用いて3つの空洞のπ/2モードを共振周波数に調整した状態で、0モードとπモードの周波数を測定した所、シミュレーションで求めた最適値と一致した。 さらに所望の電力増倍率が得られるかどうかを試験するためには、動的に位相制御のできる2つの周波数をずらしたRF源が必要である。これらはDBMと任意波形生成器により実現できるが、これらの変調装置を試験し、うねり波を作るのに十分な帯域がある事を確認した。これらの装置により新方式のパルス圧縮の低電力過渡試験が可能となった。
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