2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブ望遠鏡構造における層間振動と電流・電圧特性
Project/Area Number |
17740190
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田村 了 静岡大学, 工学部, 助教授 (20282717)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 2層ナノチューブ / 電気伝導度 / タイトバインディングモデル / 量子化伝導度 / 望遠鏡構造 / ランダウアー公式 / 透過率 |
Research Abstract |
半径の差がグラファイトの層間距離に近い2つのアームチェアーチューブ、(n,n)チューブと(n+5, n+5)チューブ、からなる2層チューブから内側チューブを部分的に引き出した望遠鏡状の構造についてランダウアー公式による電気伝導度、すなわち透過率の計算を行った。各電極は外側チューブか内側チューブのいずれか一方のみに接続されているので全電流が層間を流れ、層間配置(2つのチューブの重なり長や相対回転角度)に電気伝導度は敏感に依存する。その最大値は量子化伝導度をG_0として、n=5のときは2G_0に近くそれ以外の場合はG_0に近いこと、および、これは以下のように説明できることを発見した。各単層内の波動関数は、最近接原子間で同符号になる傾向にあるもの(擬対称)と逆符号になる傾向のあるもの(擬反対称)に分類できる。後者では2層間で向かいあっている2原子が同符号振幅か、逆符号振幅かの2種類の層間配置が発生する。チューブ円周方向にそってみた場合、この2種類の層間配置が、n=5の場合は72度回転するごとに周期的に繰り返さる一方、n>5ではランダムに発生する。後者では2種の層間配置の打ち消しあいが起こりやすく、そのため擬対称の波動関数だけが電流に寄与でき、電気伝導度の最大値がn=5の場合の半分となる。 以上の計算では、タイトバインディング(TB)モデルの伝達積分の値は文献から得た。しかし、TBモデル分子動力学や非弾性効果の計算を行うためにはこれでは不十分であるため、既存のプログラムパッケージを用いて、原子数の少ない系で伝達積分を評価した。
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Research Products
(1 results)