2005 Fiscal Year Annual Research Report
光導波路内に埋め込んだZnO微粒子のレーザー特性とフォトニック結晶への応用
Project/Area Number |
17740200
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 義之 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (20288757)
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Keywords | ZnO / 微粒子 / アルカリハライド / 光導波路 / フォトルミネッセンス / 励起子分子 / レーザー / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究ではワイドバンドギャップを有する酸化亜鉛(ZnO)微粒子を光導波路内に埋め込み、その微粒子における励起子-励起子分子系でのレーザー発振の観測とその機構解明を目指すものである。さらに光ファイバー等の利用によってフォトニック結晶への応用を模索する。 今年度は研究で用いる試料作製とZnO微粒子の基本的光学特性、及び、ファブリ・ペロー型光共振器を用いたレーザー発振の観測までを行った。試料は2枚の石英板を張り合わせたミクロンオーダーの隙間にZnO微粒子を含むアルカリハライドを融解し、毛細管現象によって浸透・単結晶化させて作製した。この構造はファブリ・ペロー型を有し、金蒸着によるミラーで反射率をあげる試みも行った。高密度光励起下でのフォトルミネッセンスの測定によって、この試料においては3.356eVにピークをもつ励起子分子発光バンドが観測された。2枚の石英板間に形成される光共振器長が発振条件を満たす試料位置においては、励起子分子発光の低エネルギー側に単一モードのレーザー発振が見られた。この発振線の強度は励起強度の増加とともに非線形的に増大し、約0.5MW/cm^2のしきい値と指向性を有する。また、この発振線と励起子分子発光バンドには強い相関を示唆する実験結果も得られ、その発振には励起子分子が深く関与していることが判明した。この発振機構については励起子-励起子分子状態間で引き起こされる反転分布が原因と考えられるが、詳細については継続して検討中である。 これまでに試料作製方法の確立とレーザー発振についての一定の成果が得られてきており、今後はレーザー発振の条件探索と機構解明、さらにフォトニック結晶の試作へと発展させていく予定である。上記内容に関する成果の一部についてはJournal of Applied Physicsに掲載された。
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