2005 Fiscal Year Annual Research Report
シアノ架橋型金属錯体における電子密度レベルでの光誘起準安定構造解明
Project/Area Number |
17740205
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
加藤 健一 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門動的構造チーム, 研究員 (90344390)
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Keywords | 光誘起相転移 / 電子密度解析 / 放射光粉末回折 / シアノ錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「シアノ架橋型金属錯体RbMn[Fe(CN)_6]における光誘起準安定相の電子レベルでの構造を決定し、光誘起磁性の機構を明らかにすること」、である。具体的には、これまで実験で得られている高温相と低温相の電子密度分布と比較し、光誘起準安定相において 1.同じ電子配置(Mn II-Nc-Fe III)をとる高温相との結晶構造の違いを、結合電子レベルで明らかにする。 2.MnI I-Fe IIIの交換相互作用の符号・大きさ及び、準安定になる理由を電子論的に考察する。 さらに、これらの実験・解析で得られた知見を活かして、他の金属錯体における光誘起準安定構造の精密構造解析を行い、光誘起磁性の機構解明を目指す。その中で、本年度は以下の研究を行った。 ・RbMn[Fe(CN)_6]の光誘起準安定相のデータ測定-SPring-8のBL02B2の大型デバイシェラーカメラを用いて、放射光粉末回折法により30K程度で光照射を行った後、検出器であるイメージングプレートのダイナミックレンジをフルに活用して、出来る限り統計精度の高いデータを測定した。 ・RbMn[Fe(CN)_6]の準安定相の時間発展測定-光照射を開始した直後から数分間隔で粉末データの測定を開始し、準安定相の光励起過程のデータを測定した。また、光照射を止めた直後から同様の測定を行い、光緩和過程のデータを測定した。 ・精密構造解析と考察-準安定相の高精度データを用いて、MEM/Rietveld法により電子密度レベルでの構造解析を行った。また、光励起及び緩和過程のデータをリートベルト解析し、格子定数や原子間距離の時間発展を明らかにした。今後は、すでに得られている高温相と低温相の電子密度分布と比較検討することにより、準安定相形成の機構、特徴を明らかにする。
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