2005 Fiscal Year Annual Research Report
乱れた2次元超伝導体の極低温ボルテックス状態と超伝導絶縁体転移
Project/Area Number |
17740218
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
枡富 龍一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 21世紀COE研究員 (00397027)
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Keywords | 低温物性 / 物性実験 |
Research Abstract |
乱れを含む2次元超伝導体では電子局在(アンダーソン局在)と超伝導が競合しているため長年興味がもたれ,特に超伝導絶縁体転移(S-I転移)に関しては多くの実験,理論的研究が行われてきた.しかしながら,現時点において2次元のS-I転移は未解決の問題である. 我々の研究室では以前よりクエンチ凝縮法を用いて作成された均一なアモルファス構造をもつニオブ薄膜を用いて零磁場および低磁場下で2次元のS-I転移の研究を行ってきた.今回の科学研究費補助金により磁場領域を7T,温度領域を0.1Kまでの拡張を行い,より正確で普遍的な情報を引き出す.上述の目的を達成するため平成17年度は超高真空対応の希釈冷凍機(UHV-DR)の開発および超伝導磁石(7T)の設置を行った. 開発したUHV-DRのヘリウムの液化にジュールトムソン機構を利用した希釈冷凍機である.1Kポットを使用しないことにより振動の軽減,冷凍機本体の小型化,排気装置の簡略化に成功した.また、この冷凍機の最大の特徴は超高真空中で使用可能にするため予冷に熱交換ガスを使用しないことにある.分留器側から数気圧程度のヘリウム4ガスを入れることにより冷凍機内部でヘリウム4を液化し,その液体ヘリウム4を利用して室温から約4Kまで冷却する.その後,混合ガスを循環させることにより0.1Kまで達する. 装置の整備が終了し次第,超高真空環境下で希釈冷凍機による冷却を開始する.その後,温度と磁場と試料膜厚をパラメータとして電気輸送特性を精密に測定する予定である.
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Research Products
(1 results)