2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740221
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤井 裕 福井大学, 工学部, 助手 (40334809)
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Keywords | 磁性 / 物性実験 / 核磁気共鳴 / パルス磁場 |
Research Abstract |
パルス磁場は、コンデンサバンクに充電したエネルギーを瞬時に放電し、その際に流れる大電流によって発生させる。実際に物性実験で通常使用されているコンデンサバンクは数百kJものエネルギーが蓄えられているので緻密かつ周到な準備を事前に行わなければ重大な事故が発生しかねない。本研究では、まず比較的安価な市販のコンデンサを使用してミニチュアモデルを作成して、パルス磁場を発生させる。これによって、パルス形状調整のためのクローバー抵抗器の調整やスイッチング方法の調整など、技術的な問題点を明らかにするとともに、検討を行うことにした。実際に使用したのは、市販のコンデンサを並列につなぎ、全容量が0.11mFのミニチュアコンデンサバンクを二組用意した。放電スイッチや逆充電を防ぐダイオードには、それぞれ市販の大電流用のサイリスタとダイオードを用い、サイリスタをオンにするためのトリガー回路およびタイミング回路は自作した。パルス磁場を発生させるコイルは手製のソレノイドコイルを使用した。このようなミニチュアモデルを用いて二段のパルス磁場の発生に成功した。実験に使用したL,C等の回路定数を用いてシミュレーションを行った結果と実験結果とにはパルス磁場のピーク位置等にずれが見られ、コンデンサの内部インピーダンス、ダイオードの内部抵抗等の影響を検討する必要があることがわかった。今後、コンデンサバンクのスケールアップを行い、磁場の整形方法を検討するとともに、実際にNMR信号を観測することが課題である。
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Research Products
(6 results)