2006 Fiscal Year Annual Research Report
角度分解比熱測定による圧力誘起超伝導体の超伝導対称性の解明
Project/Area Number |
17740224
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
出口 和彦 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (40397584)
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Keywords | 低温比熱測定 / 圧力誘起超伝導 / 超伝導対称性 / 重い電子系 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、圧力誘起超伝導に関連した物理の中でも、磁性と共存している超伝導状態の解明とそれに付随する新しい物理の開拓である。UGe_2の圧力下・極低温における角度分解比熱測定については研究代表者が京都大学から名古屋大学に転出したため研究計画の変更し、CeRhIn_5、UGe_2の希釈冷凍機および^3He冷凍機温度域において、圧力下交流磁化率の測定により、圧力誘起超伝導における「磁性と超伝導の共存」はどのようにして起こっているか調べた。 CeRhIn_5単結晶を用い、希釈冷凍機および^3He冷凍機温度域において、圧力下交流磁化率の測定を行った。これにより、反強磁性転移および超伝導転移温度の圧力依存性を明らかにした。特に、これまで圧力下でのみ超伝導が発現すると思われていたが、常圧でも転移温度90mKの超伝導転移が表れることが分かった。また、反強磁性および超伝導の二つの転移温度の圧力依存性を定量的に解析することにより、超伝導と反強磁性が波数空間で互いに競合的であることを指摘した。 UGe_2単結晶を用いた同様の実験からは、圧力誘起超伝導の相図が静水圧性に敏感で1あることが分かり、ここから「磁性と超伝導の共存」の状態に関する情報が今後引き出せると考えている。
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Research Products
(10 results)