2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740236
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
桑原 慶太郎 首都大学東京, 都市教養学部・理工学系, 助手 (90315747)
|
Keywords | 重い電子系超伝導体 / 強相関電子系 / 中性子散乱実験 / 四極子 |
Research Abstract |
偏極中性子散乱実験により、重い電子系超伝導体URu_2Si_2の隠れた秩序相において磁気形状因子の精密測定を行った。その結果、磁気形状因子の波数依存性には常磁性状態での値と大きな変化はなく、他のウラン系重い電子系超伝導体と同様に自由ウランイオンの5f電子の磁気形状因子の値に非常に近い磁気形状因子を得た。一方、磁気形状因子の波数0での値はバルクの磁化の値に比べ約30%小さい値を示すことが明らかになった。このことは、この系のバルクの磁化には5f電子以外の寄与があることを示している。この結果について、強相関電子系に関する国際会議SCES05において報告した。 希土類ヘキサボライド(Ce,La)B_6のPhase IVの秩序変数を調べるため、中性子吸収を避けるため^<11>B同位体をエンリッチした(Ce,La)B_6単結晶試料の極低温での中性子弾性散乱実験を行った。理研グループのよって行われた共鳴X線散乱実験からこの系のPhase IVでは波数ベクトル(1/2,1/2,1/2)に超格子反射があることが明らかになっていたので、その波数領域において統計精度をあげた詳しいスキャンを行ったが、実験誤差の範囲内で中性子散乱からは超格子反射は観測されなかった。 充填スクッテルダイト超伝導体PrOs_4Sb_<12>の非弾性中性子散乱実験を行い、この系の低エネルギー磁気励起を詳しく調べた。その結果、この系の低エネルギーの磁気励起には分散がありこれが今までに例のない非磁性四極子相互作用による励起子であること、この四極子励起子超伝導と強く結合していること、を明らかにした。
|
Research Products
(6 results)