2005 Fiscal Year Annual Research Report
角度分解光電子分光によるスピン配列した磁性薄膜における電子状態
Project/Area Number |
17740237
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
伊藤 孝寛 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 助手 (50370127)
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Keywords | 強相関電子系 / 光物性 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究は、パルス磁場によってスピン配列させた磁性薄膜における高分解能角度分解光電子分光測定により、電子とスピンの相互作用が磁性に果たす役割を、スピン配列による電子状態の変化を通じて直接的に観測する事を目的とする。 本研究を遂行するために、平成17年度は磁性薄膜における角度分解光電子測定をパルス磁場によってスピン配列した環境下で行うための環境を整えるために、極端紫外光研究施設に既存の超高分解能角度分解光電子分光測定装置の改良を進めてきた。現状を以下に示す。 1.超高真空中の試料を磁化させるためのパルス磁場発生システムの開発 低温クライオスタット上の試料に真空・低温下でパルス磁場を印加するためにパルス磁場発生装置の開発を行った。φ2mmの銅線により作成したコイルでパルス磁場の発生性能確認の作業を現在進めており、目標の500V印加で1テスラ以上を達成するために更なる改良を進めている現状にある。 2.試料磁化測定用の磁気光学カー測定装置の設計および開発 磁気光学カー測定装置の設計がおわり、設置作業および性能評価を現在行っている。特に、パルス磁場印加によりスピン配列した試料表面の磁化を高精度で観測するために、パルスモータ制御型の高分解能測定システムの導入を行った。 平成18年度初頭から、上記のシステムの最適化を行い、試料準備槽に設置する。その後、分子線ビームエピタキシー装置の光電子分光装置への接続およびテスト試料の測定を順に進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)