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2006 Fiscal Year Annual Research Report

近似結晶と対比させたCd-Yb2元系準結晶の高圧低温下構造変化の研究

Research Project

Project/Area Number 17740238
Research InstitutionJapan Atomic Energy Agency

Principal Investigator

綿貫 徹  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (30343932)

Keywords準結晶 / 相転移 / 高圧 / 放射光X線回折
Research Abstract

1.Cd-Yb準結晶の低温高圧下における構造変化
本研究では、低温高圧下でCd-Yb準結晶がどのような構造変化を起こすかを調べた。特に、対応する周期系物質である近似結晶に見られたような配向秩序化や格子の低対称化といった構造相転移が現れるか否かに着目した。
低温高圧下の構造観察は、単準結晶試料を用いた放射光X回折実験により10-300K、常圧-17GPaの領域で行なった。高圧発生にはダイアモンドアンビルセルを用いたが、その際、圧力媒体として静水圧性の最も良いヘリウムガスを用いた。また、冷却の際に、圧力変動を0.03GPa以内と非常に小さくすることにより、圧力媒体の固化する低温においても試料に余分なストレスを加えず擬似的に静水圧条件が得られるようにした。従来の準結晶高圧実験は、静水圧性の問題で明瞭な結果が得られてこなかったという経緯があり、世界的にも類を見ない静水圧条件下での測定を行なった。
その結果、Cd-Yb準結晶では、構成要素の原子クラスターが近似結晶のようには秩序化相転移を起こさないことが明らかとなった。その一方で、4GPa以上の高圧および低温領域(例えば、9GPaでは215K)では、正二十面体対称の準周期格子が、扁平するように変形するという構造変化が観測された。この構造変化はHeの固化と関連している可能性があり、自発的変化であるか否かを決定するには至っていない。しかし、自発的変化であれば、準結晶として初めての観測例となる。
2.Cd-Yb準結晶と近似結晶の構造変化の比較検討
近似結晶で温度圧力に応じて原子クラスターが様々な構造秩序を形成したのに比べて、準結晶では秩序形成は起こらず、また、格子変形量もわずかであった。このように準周期配列では同一クラスターが周期配列した近似結晶とは対照的に、構造変化を起こしにくい性質があることが判明した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Cd-Yb近似結晶の低温高圧下で現れる多様な構造秩序2007

    • Author(s)
      綿貫 徹
    • Journal Title

      日本結晶学会誌 49

      Pages: 45-50

  • [Journal Article] 放射光低温高圧単結晶X線回折装置と準結晶研究への応用 -静水圧的高圧実験の低温領域への拡張に向けて-2006

    • Author(s)
      綿貫 徹, 青木勝敏
    • Journal Title

      固体物理 41

      Pages: 329-336

  • [Journal Article] 「第3の固体」性質解明へ-Cd-Yb合金で原子配置転換現象を観測-2006

    • Author(s)
      綿貫 徹
    • Journal Title

      原子力eye 52

      Pages: 54-57

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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