2005 Fiscal Year Annual Research Report
渦を使った飛翔機構により運動する物体の動力学に関する研究
Project/Area Number |
17740245
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯間 信 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (90312412)
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Keywords | 渦運動 / 生物流体 / 非線形動力学 |
Research Abstract |
渦を用いた飛翔機構について、自由飛翔の観点から調べるため、本年度は1)2つのモデルに関する飛翔機構の研究 2)数値計算コードの開発を行った。具体的な実績は以下の通りである。 1)2次元対称はばたきモデルを用いた飛翔機構を分離に関する研究を行った。 このモデルのはばたき運動は蝶に対応し、重心の運動の影響が考慮されている。このモデルには渦を用いた飛翔機構が2つあることを示した。手段として外力が加わった場合の定常飛行状態の分岐図を作成し、その臨界点のパラメータ変化に対しする挙動に着目する事で、2つの飛翔機構の分離に成功した。一つの機構は重心速度が大きいとき用いられ、剥離渦が形成する秩序渦を1つだけ用いる。もう一つは重心速度が小さいとき用いられ、秩序渦を2つ用いる。 このモデルははばたき運動が対称であるにも関わらず、重心運動が対称性を破りうる事が既に知られている。静止状態から対称性が破れた定常進行状態に移行する遷移過程において、ここで分離された2つの飛翔機構が活用されているようである。 これらの結果は、はばたき運動やモデルが単純であっても、重心速度という運動の変化に応じて複数の飛翔機構を持つことや、それらの飛翔機構が遷移運動の中で有効に活用されている事を示しており、実際の昆虫の飛翔に対する重要な示唆を与えると考えられる。 2)課題を達成するために必要な流体計算コードであるCIP法を開発した。 3)上記プログラムを用いて、多くの昆虫に見られるはばたき運動により飛行するはばたきモデルを計算した。具体的には外力を加えた場合の定常飛行状態の分岐図を作成し、2次元対称はばたきモデルの場合と比較を行った。この結果、モデルによらない普遍的な分岐構造の存在を示唆する結果を得た。 これらの結果に関連して、イタリアで行われた国際シンポジウム"Design and Control of Self-organization in Physical, Chemical and Biological System"で発表を行った。他に国際会議2件,国内会議等8件の発表を行っている。
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Research Products
(6 results)