2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740251
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正英 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教授 (20306533)
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Keywords | 物性理論 / 非平衡系 / 結晶成長 |
Research Abstract |
結晶表面上を拡散する原子がステップ位置で固化・融解する。直線ステップが等間隔にならぶ微斜面では,結晶の成長・融解に伴い,1ステップが束状になるバンチングや,直線ステップが不安定になる蛇行が起きる.本研究では。シリコン(111)7×7構造および1×1構造共存微斜面を念頭に置いて,これらの不安定化について調べた。 Si(001)微斜面でのバンチングの際に、上段向きに吸着原子の流れがある場合と、下段向きに吸着原子の流れがある場合では、バンチングによる2次元的なパターンが大きく異なることがモンテカルロ・シミュレーションから分かった。このパターンの違いを無視した1次元モデルで調べた束の成長では、束の成長速度の吸着原子の流れに対する依存性が実験とは異なるが、吸着原子の流れの向きの違いによる2次元的なパターンの変化を考慮することで,実験と同様な束の成長速度の関係が得られることが分かり、2次元的なパターンの違いが成長速度に対して重要な効果であることが分かった。この結果は、論文として欧文紙に発表した。また,上段に吸着原子の流れがある場合と下段向きにある場合の速度の違いが,テラス上での吸着原子の分布の違いにより生じることを明らかにし,国際会議で発表し論文として投稿した。論文は受理されて現在印刷中である。 シリコン(111)7×7構造および1×1構造共存微斜面での吸着原子の流れによる不安定化についても調べた。線型安定性から,吸着原子の流れの向きにより、7×7構造と1I×1構造のいずれか一方が微斜面において支配的になることが分かった。また、吸着原子の流れの向きによらずステップのバンチングが起きるとともに,下段向きの吸着原子の流れによりステップの蛇行の蛇行が起きることが分かった。モンテカルロ・シミュレーションにより束の成長速度を調べると,ステップ下段向きに吸着原子の流れがある場合のほうが.上段向きに流れがある場合に比べて成長が速いことが分かった。また、蛇行については、モンテカルロ・シミュレーションに加えて非線形解析を行った。非線形解析より揺らぎの振幅は、時間と友に1/2乗で成長することが期待されることが分かった。モンテカルロシミュレーションをおこない,蛇行について調べた結果は,非線型方程式による予測と一致することが分かった。以上の結果を論文にまとめて投稿し,現在印刷中である。 さらに,シリコン(001)微斜面における成長中のバンチングについて調べ,成長中のバンチングでは,まずステップ対が形成され,その対がバンチングを起こすことを明らかにした。この結果については,論文にまとめて現在投稿中である。
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