2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740269
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
香月 浩之 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助手 (10390642)
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Keywords | 原子・分子物理 / 量子コンピュータ / 低温物性 |
Research Abstract |
当初の予定通り、固体中での実験との比較対象となる気相中での孤立分子のコヒーレント制御に関する実験を行った。まず第一に位相ロックダブルパルスにより二つの分子振動波束をヨウ素分子中に作成し、その時間発展をフェムト秒ポンププローブ法で観測した。ナノ秒プローブ光によるポピュレーション解析と組み合わせることにより、分子振動波束に含まれる各振動固有状態の振幅および相対位相を読み取ることができることを示した。この結果については(研究発表1)として出版された。 フランス・ツールーズ大学のProf.B.GirardおよびProf.C.Meierとの共同研究で、分子振動波束の位置、時間超高分解能二次元マッピングを試みた。分子振動波束がHalf Revivalと呼ばれる自己干渉効果を示す領域において空間分解能1pm,時間分解能100fsという精度で干渉する波の様子を捉えることに成功した。この結果については(研究発表2)として出版された。 現在、非共鳴パルスの特性(チャープ量、時間幅)を測定するためのSPIDER (Spectral Phase Interferometry for Direct Electric-field Reconstruction)を作成中であり、この装置を用いてパルスの特性を特定しつつ、分子振動波束に非共鳴パルスが照射された場合の波束の変化を測定する予定である。また、本年度は極低温クライオスタットおよびオルトパラ水素コンバータの設計、発注を行った。クライオスタットに関しては冷却テストを行い4.5Kまでの冷却を確認した。現在、サンプルを含むパラ水素ガスをクライオスタット中の冷却基板に吹き付けるための導入ラインの設計、検討を行っている。
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