2005 Fiscal Year Annual Research Report
クラスター的微小地震活動の発生メカニズムの解明-流体移動で地震は起きるのか?
Project/Area Number |
17740285
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 愛太郎 東京大学, 地震研究所, 助手 (20359201)
|
Keywords | 微小地震 / クラスター / 精密震源決定 / トモグラフィー / 地殻構造 / 地殻内流体 / 稠密地震観測 |
Research Abstract |
和歌山県有田郡の一つの微小地震クラスターの直上に、0.3〜1.0kmの間隔で合計31点の地震計を設置し、稠密地震観測を実施した。震源の深さを拘束するためにクラスターの中心から周囲5〜10kmの地点にも9点の地震計を設置し、合計40点で臨時地震観測をおこなった。設置期間は、3ヶ月半であった。これまでに類を見ない稠密な地震観測を実施できた。収録されたデータを用いた初期解析の結果によると、微小地震は地表の活断層トレースに平行に分布し、南東側に傾斜した断層面を形成しているようである。この断層面の走行と傾斜は、観測地域のテクトニクスと整合的であり微小地震クラスターが構造的弱面で発生している可能性が考えられる。今後、詳細な解析を進め、相対走時データを用いた超精密震源決定・地震波速度構造の評価をおこない、微小地震クラスターの発生要因を特定する。
|