2005 Fiscal Year Annual Research Report
数値シミュレーションと地震波インバージョンによる地震の不均質階層構造の研究
Project/Area Number |
17740288
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井出 哲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (90292713)
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Keywords | 数値シミュレーション / インバージョン / 地震 / マルチスケール / 中越地震 |
Research Abstract |
地震は大きくスケールを変えて成長する破壊過程である。その成長過程の詳細と支配法則・条件を数値シミュレーションによる破壊過程の複雑性の研究と実際のデータを用いた震源過程の解析を用いて解明するのが本研究の目的である。 まず数値シミュレーション分野では地震の破壊過程をモデル化するために円形状の不均質のフラクタル状分布を仮定し、破壊の伝播をシミュレートした。さらにその不均質分布を断層面の形状とつなぐためにより単純なモデルを用いて連続的な面形状から断層面上の不均質分布を導出する手法について検討した。前者は日本地震学会、米国地球物理学連合学会で発表され論文としても出版された。後者については日本地震学会などで議論を行ったが、まだ検討が十分でなく、来年以降も継続して研究する予定である。一方データ解析分野では大きくスケールを変える断層すべり過程を扱うことができるマルチスケールインバージョン法を開発しプログラムコードの作成と単純なモデルを用いた検証を行った。さらに2004年の新潟県中越地震に適用し、マグニチュード2-3程度の小破壊が最終的にマグニチュード6.6の大地震になるまでの時間発展を克明に解明した。本結果については、部分的に日本地震学会で発表された。現在全体としてまとめているところである。 データ解析の結果はそれぞれのスケールで同じような不均質を保ちながら成長するというもので、数値シミュレーションで仮定した不均質分布の破壊過程と似た性質を示す。しかし、これは統計的取り扱いを必要とする問題の一例に過ぎない。インバージョン法を異なる地震に適用したり数値シミュレーションでの予測性能を向上させ、現象とさまざまな面で比較できるようにすることが必要である。
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Research Products
(1 results)