2007 Fiscal Year Annual Research Report
海山や海嶺の沈み込みが南海トラフ巨大地震発生に与える影響の定量的評価
Project/Area Number |
17740297
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
堀 高峰 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, 研究員 (00359176)
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Keywords | 地震発生サイクル / 数値シミュレーション / プレート形状 / 断層構成則 / 離散要素法 / 付加体 / 海山 / 沈み込み |
Research Abstract |
今年度は岩石化を中心に研究を進める計画だったが、岩石化を離散要素法のそのままの枠組みでモデル化することは問題が多いことが、これまでの検討から明らかになった。例えば岩石化して一体化した複数の粒子が破壊する場合に、もとと同じ形を保持するのは実際とは合わない。形状の変化を考慮するには多角形離散要素法にする必要があるが、その場合は各形状が与えられた外力のもとでどのように破壊するかもモデル化しなければならず、非常に複雑になってしまう。このため、岩石化が起こる以前の付加体先端部の力学的な過程に重点を置き、付加体がどのような場合に発達し、形成された付加体がどのような力学特性を持つかを調べた。その結果、付加体が発達するかどうかがデコルマと呼ばれる力学的な境界面が形成されるかどうかに依存することを、数値シミュレーションから明らかにした。デコルマが形成されるということは、堆積層が沈み込み先端部で受けていた剪断変形をデコルマ面での局所的なすべりで担うことになる。するとそのすべり面より上は沈み込むことなく付加し、水平短縮が卓越することになる。さらに、デコルマの形成に影響を与える因子を明確にするとともに、それらが付加体の形状や破壊の仕方にも影響することを明らかにした。このことにより、従来からこの分野で問題になっていた、付加体形状を規定する要因が何かということに対して、力学的なモデルにもとづく1つの回答を与えることができた。
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