2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740313
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 勝 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (10314551)
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Keywords | 金星大気 / スーパーローテーション / 大気大循環 |
Research Abstract |
T21L52のVenus-like AGCM(CCSR/NIES AGCM5.6)を用いて、太陽加熱の3次元分布を与えた数値実験の解析をおこない、スーパーローテーションの角運動量輸送過程や擾乱のエネルギー収支を詳しく調べた(Yamamoto and Takahashi 2006,JAS修正中)。Gierasch機構において、中層大気では一日潮、下層大気ではシアー不安定が重要であることを示し、金星のスーパーローテーションの全体像を提案することができた。 また、上記のAGCMの下部境界に標高データを与え、地形の影響も調べた。スーパーローテーションの形成維持機構は、地形なし実験(Yamamoto and Takahashi 2004; 2006)と同じであるが、下層の角運動量や鉛直EPフラックスの南北非対称が見られる。地形は、山岳波を強制したり、惑星スケール波の構造を変形したりする。これらの解析の一部は、第55回理論応用力学講演会講演論文集にまとめた。 スーパーローテーションに加え、物質循環や雲模様を再現するために、エアロゾル輸送モデルを開発している。この輸送モデルは、雲模様から波動の構造を推定したり、波動による物質輸送を評価したりするのに不可欠である。このモデルの微物理過程ではモーメント法を用いて粒径分布も推定し、化学過程ではSO_2の酸化速度からH_2SO_4の濃度を計算し、H_2SO_4の飽和蒸気圧から凝結・蒸発を計算する。現在、この輸送モデルの検証実験をしている。
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