2006 Fiscal Year Annual Research Report
長期衛星データによる東アジアの暖かい雨・冷たい雨判別とエアロゾル間接効果との関係
Project/Area Number |
17740316
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
河本 和明 総合地球環境学研究所, 研究部, 助手 (10353450)
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Keywords | 降雨 / エアロゾル / 間接効果 / 衛星データ |
Research Abstract |
18年度の研究内容は以下の通りである。 ・これまで入手したマイクロ波データを軌道の帯から地理上のグリッドに落とし、解析しやすい形式に整備した。 ・可視波長や赤外波長から求められた雲特性(雲の光学的厚さや低層雲の雲粒有効半径)の東アジア上での地理的分布について解析を行った。都市域で雲の光学的厚さが大きく、雲粒有効半径が小さくなっていた。 ・紫外波長と可視・近赤外波長から求められたエアロゾルの光学的厚さの東アジア上での地理的分布について調べた。都市域で値が大きく、海上や遠隔地が値が小さかった。 ・これら雲とエアロゾル特性の相関を取った結果、エアロゾルが多い領域では雲の光学的厚さが大きく、雲粒有効半径が小さいこと、一方エアロゾルが少ない領域では逆の傾向が強いことがわかった。これはエアロゾルの間接効果(Twomey効果)を一致する結果である。しかし対流が強い領域ではエアロゾルが少なくても雲の光学的厚さが大きいことも見いだされ、雲の放射特性に対しては粒子環境のみでなく力学的条件も重要であることが示唆された。 ・マイクロ波放射の数値シミュレーションを行い、様々な雲粒子特性(水滴、氷、雪、霰等)や雲頂高度の場合を想定して衛星搭載センサーが受け取るシグナルを計算した。この結果を容量の小さなテーブルに変換してプログラム上で高速に読み取れるようにした。また雲が氷を含んでいるか否かの指標を定量的に決定した。さらにその指標が異なる季節や緯度帯の場合に適用できるかどうか等アルゴリズムの原理的部分を完成させた。 ・このアルゴリズムをオペレーショナル用にプログラミングし、大容量データを高速かつ少ない制御で行えるようにした。得られた結果は最終年度に包括的な解析結果としてまとめられる。
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