2005 Fiscal Year Annual Research Report
大型短波レーダー観測網を用いた中間圏温度グローバルマップの導出
Project/Area Number |
17740323
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
細川 敬祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80361830)
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Keywords | 超高層大気 / 中間圏 / リモートセンシング |
Research Abstract |
1.PMSE出現頻度算出手法の構築・改良 設備備品費によって導入したハードディスク(1TB)に、11年間(1995-2005年)の全レーダーの観測データを展開し、データベースを作成した。現有するデータ解析用計算機とデータベースをリンクさせ、大規模統計解析を行なう環境を整えた。大量データからPMSEの出現頻度を客観的に導出する為に、自動検出アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムでは、レーダーエコーの受信強度、ドップラーシフト、スペクトル幅などの情報を元にして、その他の散乱対象(電離圏E領域プラズマ密度不規則構造や流星からの散乱エコーなど)との弁別を行っている。まず、自動検出手法をPMSEを初めて観測した南極昭和基地レーダーに対して適用し、短波レーダーによって観測されるPMSEの季節変動・発生頻度地方時依存性が、過去に行われたVHFレーダーによるPMSE観測によって得られたものと良く一致することを示した。これは、開発した自動検出アルゴリズムが機能していることを示している。 2.PMSE出現頻度南北半球比較 南極昭和基地レーダーとその北半球磁気共役点に位置するアイスランドレーダーに対して自動検出アルゴリズムを適用した。その結果、北半球では、南半球の約1.5倍高い頻度でPMSEが出現していることが明らかになった。この観測結果を量的に解釈するために、高層大気大循環モデルを用いて中間圏温度の南北差異を見積もった。その結果、シミュレーションによって予測された中間圏温度の南北差とPMSE活動度の南北差が良い一致を示すことが明らかになった。これは、観測されたPMSE出現頻度の南北差が中間圏の温度差を直接反映していることを強く示唆している。
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Research Products
(1 results)