2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測と地磁気逆計算法によるオーロラ爆発開始条件の解明
Project/Area Number |
17740325
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
家田 章正 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (70362209)
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Keywords | オーロラ / オーロラ爆発 / 電離圏 / 磁気圏 / 磁気圏尾部 / 磁気再結合 / 地磁気 / 地磁気逆計算法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、オーロラ爆発が開始するために必要な条件を明らかにすることである。このためには、オーロラ爆発直前の電離圏・磁気圏対流パターンと、オーロラ爆発開始位置との関係を解明することが重要であると思われる。磁気圏尾部では、磁気再結合による地球向き高速流が、突如生じることが知られている。本研究では特に、この尾部での高速流に対応した、電離圏での低緯度向き高速流が、オーロラ爆発開始位置付近に存在するのかどうかを明らかにする。 平成17年度においては、まず、ポーラー衛星が取得したオーロラ紫外線写真のデータベースを作成し、オーロラ爆発の位置と磁気再結合の位置が対応していることを見いだし、IAGA Scientific Assembly(フランス)における招待講演で報告した。また、オーロラデータの電離圏へのマッピングを行うソフトウェアを、ポーラー衛星のPIであるParks博士(カリフォルニア大学)の協力を得て導入した。次に、オーロラ紫外線の波長による発生高度の違いを利用して、降下電子の特性を推定することにより電離圏電気伝導度の算出を行う手法を、Liou博士(ジョンズホプキンス大学)と共同で開発し、ISSI研究会(スイス)において報告した。さらに、算出した現実の電気伝導度を入力として用いるために、既存の逆計算法プログラムを改良し、従来用いられていたモデル値だけではなく現実のデータ値を入力とできるようにした。 また、磁気圏尾部における高速流が極めて地球に近い場所で観測された、すなわち磁気再結合が極めて地球に近い場所で生じたイベントを調べた結果、この高速流に対応してオーロラ爆発が通常よりも低緯度で生じていることを見いだした。この結果はJournal of Geophysical Research誌に掲載された。
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