2005 Fiscal Year Annual Research Report
破局的火山性洪水流(ラハール)の発生過程・運搬堆積作用と火山災害評価
Project/Area Number |
17740333
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片岡 香子 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (00378548)
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Keywords | ラハール / 洪水 / 火山 / 土砂災害 / 二次堆積 |
Research Abstract |
福島県只見川、新潟県阿賀野川(阿賀川)流域において、沼沢湖噴火に関わる火砕流堆積物とラハール堆積物(二次堆積物)についての地質・地形調査を行った。併せて、流域の2カ所でボーリング掘削を行った。また、ラハール堆積物の比較のため、十和田カルデラ周辺および米代川・奥入瀬川沿いの地形と地質の調査を実施した。 詳細な地質柱状図・地質および地形断面図を作成したことで、ラハール堆積物の空間的分布が明らかとなった。地層剥ぎ取り法およびボーリング掘削により、重要な地点の地層をサンプリングし、室内において微視的な観察を行った。また、火砕物の粒度分布や構成粒子の鉱物組成についても検討を行った。さらに、ラハール堆積物の堆積相解析からは、噴火後の二次堆積作用の時間空間的変化を明らかにすることができた。 その結果,火砕流堆積物による既存河川の埋積と,せき止め湖の形成,そこからの大規模な決壊洪水の可能性を示唆する地質・地形的特徴が明らかとなった。とくに只見川流域では、1)上流域でせき止め湖堆積物が存在すること、2)中流域にみられる厚さ10m以上のハイパーコンセントレイティッド流堆積物が一気に堆積したこと、3)支流や河川の合流部ではslackwater堆積物が存在し、流れが逆流した際に形成されたと考えられること、4)径が数mの洪水巨礫が段丘面上や堆積物中に残存すること、を明らかにした。これらの成果の一部を国内外の学会で報告した。
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